毎年、秋になると甘い香りを運ぶ花。
先日、祖母の屋敷に赴くと、庭園の金木犀が私を包んでくれた。
私にとって金木犀は「祖母と今は亡き祖父を思い出す花」。
金木犀は民間でも漢方でも薬用植物にはあげられていないが、
最近になってその芳香の持つ癒し効果が薬草として利用されるようになった。
雄花が落花する時期に採取し、うがい薬の原料や、ホワイトリカーに漬け込んで薬用酒にされる。
健胃、不眠、あるいは低血圧症に使われる。
薬効成分は、精油成分のオスマンやα-ツヨンに代表される。
また、花は脂肪に富み、パルミチン酸やステアリン酸が含まれる。
難しい手入れは不要で、元気に育つ。
祖母の屋敷には数メートルにも成長した金木犀が咲き誇っている。
秋の癒しの始まり。
私にはそれが金木犀だ。